昨日は孤独な世界?/錯春
 
にすぼませて、ゲラゲラゴロゴロゲラゲラゴロゴロ……)

思春期に等しく訪れる潔癖症に、キヌホは苛まれている。
彼女は、その瞬間に感じた不快感を不満として言葉に出すことはできたが、自分が果たして何に対して根元的な不満を感じているのかは、口に出すことができなかった(多くの少女は不満を持つ。それは時としてその衝動の激しさで少女自身をも燃やす)。
彼女は、あるひとつの、猛烈な意思を持って、呟く。

(私、今、誰のことも好きじゃない。きっと自分を好きじゃないから。なんて。あーぁ、あーぁ、何でこんなに寒い?何でここにいる?このまま風邪をひいて、肺炎おこして死んで、そしたら皆すぐに私のことを忘れる)
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