昨日は孤独な世界?/錯春
取り込まれやすいということでもあった。
ミナは日本人らしい考え方で、夜眠る前に呪文を唱える。
(もうあんな人達に弄ばれるのも、相手にするのもまっぴら。蔑むことすら馬鹿馬鹿しい。あーうん、でも、私がもの凄く綺麗か、もの凄く醜いか、そのどちらかだったら、なんらかの運命の相手とやらと、出会いやすくなるかも。どうせ綺麗になんかなれっこないから、この際醜くあろう。落ちることは簡単だものね)
ミナは、運命と極端さを混同していた。
彼女は自分で自分を納得させて、また息を吸い込む(何度も呪文を唱えるために)。
(醜く、醜く、醜く、あるように)
(そして願わくば、そんな醜い私に、唯一無二
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