昨日は孤独な世界?/錯春
 
り、にきびが一面に出来たり、真っ黒いクマが染み付いていますように)

ミナは自分の顔が、その平坦さ故に、どうとでも変化することを自覚していた。
自分が一昨日カフェテリアの隅っこで恋人に振られたその瞬間、自分が陶酔してきた数々のことがすべて道端の虫の屍骸以下にどうでも良いことのように思われた。そしてそのとき思ったのだ。
「もう二度とこんな浅はかなことに巻き込まれるのはゴメンだわ」
そして、それらの煩わしいことに取り込まれる原因が、一概に自分の容姿の平凡さにあることに気づいた。
人は同じような人としか、触れ合うことが出来ない。
平凡な容姿であり続けることは、おのずと多くの平凡な方々に取り
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