昨日は孤独な世界?/錯春
き、大概の人々は彼女の髪型や服装から、彼女を切り取ることを始める。
彼女は、特に特徴のない、問題のない、いわば普通の(彼女は嫌がるであろうが、彼女は彼女の最も嫌がる若者達と大差ない)顔を持っているからだ。
彼女は己の容姿の平凡さを呪うわけではない。
彼女が願うのは、自分がこれ以上くだらないこと、容姿や恋愛沙汰に囚われないことを願って、それらの呪文を唇の内側で反芻する(なぜなら彼女は、失恋したばかりだったから)。
(明日目覚めたら、ランコムのパックでも半身浴でも、RMKのファンデーションでもどうしようも出来ないくらいに、私の顔が崩れていますように。具体的には、ぱんぱんにまぶたが腫れたり、
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