昨日は孤独な世界?/錯春
 
分がいましている仕事の不潔さや後々どう感じるかについて考えあぐねたりはしなかった。
それは聡明さの証でもある。
その証拠に、彼女は幼い頃からちゃんと本を読んでこなかったことを何より後悔していた(今、彼女と同じ年齢でそんなことを本気で思う女の子が何人いるだろう)。
そして自分が頑丈で、他愛ないセンチメンタリズムで見せしめにリストカットをしたりしないことを知っていた。

(やんなるわ。泣けもしないのよ、空が青くても恋人がいなくても。ああ、あの娘なんて他人のちんぽと愛情を混同しちゃって振り回されちゃって、深夜の新宿カラオケ舘のトイレで泣きながらゲロっちゃってたぐらいなのに)

マリオは名前
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