昨日は孤独な世界?/錯春
名前も思い出せない皮膚が不自然に弛んだ女友達のことを思い出す(名前が思い出せない相手が友人としてカウントされるか否かについてはまた別の話)
気が付くと、いつの間にか口の中のドリアは消えていた。
意識しなくても、身体は食物を飲み込めるのだ。
(私、こっからの人生で悲しくてゲロ吐くくらい泣くなんてことあるのかしら、なんて。多分、いやぜったい?いーや、ずっとねーよ)
自分で自分を卑下しても、涙が溢れないのは、マリオが巷の女の子と同等の幸せにありつけないことの証だった(何故なら大体の女の子はヒロイズムに弱いから、一番心地好く泣けるのは自分で自分を哀れむことだ)。
彼女は稀に思い出す。
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)