「宏美の心配」/菊尾
のようにはしゃぐその様にではない。
見る見る彼女の身体が大きくなっていく事に私は驚いた!驚愕した!恐怖すら感じた!ちょっとチビるかと思った。
その時の彼女の身長は私の身長よりも20cmは大きかった。
「ね?宏美。私、おっきくなっちゃった!」
芸人マジシャン、マギー審司の口調を模しておどけてみせた。私は笑った。
おかしかったのはその彼女のおどけっぷりにもだったが、状況の異様さ、そして依子の声が大きくなった事で少し低くなっていた事に対してもだった。
むしろその時私は笑うこと以外何もできなかった。笑うしかなかった。涙流して笑った。腹筋つったし。ある意味、現実逃避だった。
今思えば彼女の伸縮
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