爆裂(上、後)/鈴木
 
開けた祥平のランドセルから教科書を奪って逃げる。他人に聞かれたくない話をするときの常だった。追いかける。歩道橋を上りきったところで車道へ向いてしゃがんでいた勝也に返却を求めると手招きされたので顔を並べる。セダンやワゴン、トラックに軽自動車やバイクが排気音を残して過ぎ去っていく。遠く前方でクラクションが響いた。汗が流れる。ささやかれる。
 ――ルールがある。
 怪訝な顔をしてみせる。
 ――友だちを連れて来い! 大人じゃ駄目だぜ。同学年じゃないといけない。
 見え透いていた。隠れ家の発見を種に自らの威勢を拡大しようと意図も然り、なにより
 ――お前は仲のいい人すげえ少なそうだけど探せばいる
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