爆裂(上、前)/鈴木
 
から高校卒業まで祥平のすごした部屋だ。自転車置き場では学ラン姿の少年が携帯電話をいじっていた。挨拶してみても睫毛の濃い面をディスプレイから離さず黙々と指を動かし続けた。祥平は郵便受けのダイヤルを回しながらため息をついた。
 ――拒否か。
 強迫観念的な懐かしさはそのためであると思い至る。少年がどことなく自分に似ていた気がするのは考えすぎだろうか?
 取り出した封筒には鍵が入っていた。通路に佇む女性に見覚えがあったような気もしたが、そそくさと施錠を解いて入室する。親しげな自家のにおいは普段みじんも感じなかったものだった。嫌な記憶がよみがえり、祥平は口を歪める。高塚台より以前「社ヶ丘パークマンシ
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