爆裂(上、前)/鈴木
わせたコースを採るのが運動部のランニングでは慣習となっているのだ。知り合いだった。二つ年下で、友人を介して数度しゃべっただけなので特に親しくはなかったけれども、彼女のくりっとした目は容易に記憶と一致した。祥平の挙げた手を女子は無視する。
公園にて少年たちは追いつ追われつみな薄着で、コートはすべり台やターザンアドベンチャー乗り場の欄干に引っかけてある。外縁に並ぶ木々はつぼみを膨らませている。
――一ヶ月もすれば開くだろう。風の強い日に散りきって地面を覆うだろう。靴底でこすれば一枚いちまいの境界が溶け、なおも続けるともはや花びらとは呼べない薄黒い有機体になり、小さい頃のぼくはそれがなんであるの
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