映画日記、ただし日付はてきとう2/渡邉建志
、「馬車は走っていく…」というふうにして。
一方、映画の場合は、時間を止めることができないために、いつも現在としての場面を呈示することになり、メタファリックに拡がる瞬間がない、と、ある若い学者が言う。ところがたとえばタルコフスキーを見れば、情景が進行しているのだけれども、そこにひとつの大きなメタファーが停止したように拡がるのを確認することができる。このように大江は語る。
タテにメタファーが直立して拡がり、それがメトニミックに物語を横につなげていって、そしてまたメタファーがタテに拡がる、そのように進行していくものが、小説のみならず映画でも可能であるということ。世界とはこういうものだというビジ
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