世間の捉え方/岡部淳太郎
、世間はそのような面倒な手続きなど必要としません。世間はいつも人の傍に、いつの間にか存在してしまうものなのです。その意味で、世間は社会よりも以前に存在するものだと言うことが出来るかもしれません。さらに言えば、社会は世界よりも以前に存在するものであるかもしれません。人間たちの作り出す共同体は世間から順に社会、そして世界と、大きくなっていきます。世間はもっとも身近にある共同体であり、それゆえにどんな人にも、それこそ社会へ参入する資格を満たしていないような人にとっても近いものであるのです。社会への参入というのは、社会的な義務を果たすとか言うようなもので、卑近な例を挙げれば仕事をして社会に貢献するとか税金
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