詩の領域/パンの愛人
 
は間違いない。
 実川氏は「スノッブの化身スノッブを批判する、というのが笑いどころ」と自身で説明しているが、もちろんこの文章で笑う人間はいないし、(意図はどうであれ)いとう氏への反論にはなっていない。実川氏のように「文学」の系譜は信用できても、「(現代)詩」の系譜を信用できないとしても、それは「(現代)詩」の不具に責任があるからで、なにもタームのせいではない。

 実川氏は「文学とは、越境するものである」として「定義不可能を定義する」云々というが、これはまったくのナンセンスである。なぜなら、それが通用するのは実川氏の思惑とは反対に「詩という独立したジャンル」が存在しなければならないからである
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