怒りたい。/佐々宝砂
 
いうなら、確かにその通りだが。

しかし誰にも専門や得意はある、私が得意なのはフツーの詩の詩評じゃない。それだけは確かだ。むしろ、専門がホラーとSFであったのにも関わらずフツーの現代詩を一生懸命熱心に批評し続けた私をほめてほしい。現代詩めいた詩の詩評をしている人々に問いたい、あなたは自分に全く無関係と思われる分野の批評を熱心にできますか?と。たとえば少女マンガの、あるいはゲームの、あるいは童話の。それもさ、それぞれの分野が持つ価値観にあわせて、ですよ? それぞれの分野には、それぞれの価値観がある。ホラー的価値観から見たら、詩の90%は無関係なシロモノで、9%はゴミだ。そして残る1%は私の眼には
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