怒りたい。/佐々宝砂
には触れていないのだ。そんなことを私はおおっぴらに外で言えるか? 言えやしない。なんで言えないのか、自分自身の内面をのぞくとおそろしい。
私は分野と分野の越境を信じてきた、カテゴライズは常にそれを破るもののために存在すると信じてきた、専門分野を持つもの同士の交流こそはそれぞれの分野を発展させると信じてきた。私は歩み寄ろうと努力し続けた。でも疲れた。なんでこちら側ばかりが歩み寄らねばならないか。もう人にあわせるのは飽きた。サイトとサイトのはざまに立って右往左往するのにも飽きた。人からものを頼まれて書くのもいやになった。どうか、お願いだから、私に何も頼まないでくれ、私は私で好きにやりたい。私のや
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