共感装置の勝利/岡部淳太郎
かなり有名な作品。
{引用=夕日
沈みそうね
…………
賭けようか
おれはあれが沈みきるまで
息をとめていられる
いいわよ息なんかとめなくても
むかしはもっとすてきなこと
いったわ
どんな?
あの夕日の沈むあたりは
どんな街だろう
かんがえてごらん
行ってふたりして
住むたのしさを…
忘れたな
どんな街だったの
行ってみたんでしょ
ひとりで
ふつうの街さ
運河があって
長い塀があって
古びた居酒屋があった
そこでお酒のんでたのね
のんでたら
二階からあの男が
降りてきたんだ
だれ?
黒い外套の
おれの夢さ
おれはおもわず匕首を抜いて
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