さんばんめ/影山影司
でしょうか。この感覚。
私はまだ感情の言語化を得意としません。いつかあなたのように、美しい言葉で、手紙を書きたかった。
私は恐れています。彼が、悲鳴を上げる間もなく、痛みを感じることもなく死んだかと言うことを。苦痛にまみれて死ぬのは恐ろしい……。いいえ、違います。私は卑怯なことを言いました。本当は違います。
悲しいことに私は、私の感情を、侮蔑しています。
彼が、死の間際、暗殺者と、何を喋ったか、考えています。
彼が、我々の中で、素性まで知っているのは私だけです。
彼が、死の恐怖に怯えて、何を口走り、助けを乞うたのかと考えるのです。
彼が、撃たれた毒はすぐに全
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