さんばんめ/影山影司
 
に全身に回り死に至る強力なものでしたが、しかし、彼は死の寸前まで、暫く猶予があったはずです。
 彼は、私のことを喋ったのでしょうか。

 私は、私のことしか、考えられない人間です。
 彼の無念や、彼の事なんて、心底では何一つ、悲しんではいない。

 この手紙を書く今も、誰かが扉をノックしないかと震えています。
 いえ、きっと誰かが、私を殺しに来るでしょう。

 さようなら
 もしかしたらまたあえるかもしれないけれど、たぶんあえないとおもう
 ぼくにいきるかちなんてないんだもの。
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