よっしゃよっしゃ、詩の良し悪しや/キリギリ
 
どしで相撲を取るなんて
気持ち悪くってね。せめて洗えよ。ボールドで真っ白に。舐めれる
くらい綺麗に洗え。

開かれた個室というマジックミラー号を覗き込み我々は何か言う。
聞こえるかもしれないし聞こえないかもしれない。傷つけるかも
しれないし傷を治すかもしれない。我々の立場はさまざまで、揚げ足取りに
情熱を燃やす男を止めることは誰にも出来ない。彼のイカ臭い部屋に
押し入ってビンタすれば止められるだろうが私は彼の家を知らない。
僕らは離れているのにこんなにも近くにいるね。いないかもしれないけれど。
言葉だけが近くて身体は遠い。身体が遠いっちゅーことは脳みそが遠い
っちゅーことだ。
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