よっしゃよっしゃ、詩の良し悪しや/キリギリ
 
だ。哀れ切り離された言葉だけが此処に集うのよ。此処に。

電子の海を陳腐なイメージ映像に乗って渡り辿り着いた島だ此処は。
色気のない日常生活の突端または窪みに染み出た液体を見よう見まねで
結晶化したものが新芽のようにちらほら出ばっている。あぁほっかむりを
して耳を塞ぎたいねまるで牧歌的なそれは既存の商品棚に並ぶ代替可能な
風景画まるで100均のインテリア。叫ばなくなった魂がべルコンのように
運ぶ小6装置。光がキレイ花がキレイ緑がキレイ私がキレイ。もともと
特別なオンリーワン売り場で細かな差異をしつこく訪ねる中年夫婦みたいに
迷惑な批評家がポイント還元を求めている。何の役に立つた誰の為になつた
風に意味を聞くのか空に問いかけて答えが返るものか海は死にますか山は
死にますか山田はどうですか竹田もそうですか知ってますえぇ知っています
誰かの三つ目を開眼させたくてオデコに口付けるレバー引けば見える
新しい世界は今までよりちょっと上から目線。背伸びをすれば見えていた視界と
引き換えに手に入れたのは他人からの奇異の目。そんじょそこらのカリスマ。
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