ー自由に拘束された現代の叫び、アイ・ドント・ノウというバンドについてー/猫のひたい撫でるたま子
 
も持たないこの僕たちが天罰をくらわしてやる」と、ボーカルがドラムセットから飛び降り「天誅」と叫びます。
 彼らの否定するところはどこでしょうか?どうすることも出来ない社会の焦燥感でしょうか?自分から目を逸らす人間の弱さでしょうか?真意は分かりませんが、彼らが持つ怒りを感じることは出来ます。どうにもならないことへの憤りをただ一瞬感じることはあっても、人はすぐに忘れてしまうし、何かをすることは出来ません。怒りとは恐怖心から生まれるものであるなら、彼らはそれを振り切って怒り続け、人が目を逸らしがちなことを音楽によって知らしめることをしている数少ないミュージシャンです。
 昨今は癒しの歌が多いよう
[次のページ]
戻る   Point(0)