回覧車?/ブライアン
乗るべ、と言った。嘲笑と軽蔑を含むその発言に、5人が賛同した。みな男ばかりだった。5人は夏休み最後の日曜日、遊園地に向かった。遊園地は空いていた。ベビーカーを押した女性を何人か見かけた。近くの恋人同士らしい二人組みも何組か見かけた。それでも、仰々しくうなる機械音は空しかった。空のジェットコースターが通り過ぎた。ゴーカート上にもめったにエンジン音は上がらなかった。それらを嘲るようにして、五人はメリーゴーランドを目指した。ベンチに座った女性が子供をあやしている。子供と目が合う。手を振った。子供は呆然と見つめるばかりだった。その女性が代わりに微笑む。半袖から見える腕は黒く焼けていた。
5人組はメリー
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