悪意の在り処/岡部淳太郎
 

 おそらくこうしたことを正直に吐露すると、社会性のない愚か者の烙印を押されてしまうのだろう。しかし、こうしたことを思いつめるということは自らの存在と社会との関係性に悩んでいるということであり、だからこそ逆に真剣になって社会のことを考えているとも言えるのではないだろうか。
 自分が人間嫌いだということを自覚したのはいつ頃のことだっただろう。おそらくそんなに新しいことではあるまい。私は昔から不器用な性質で、人との関係性というものをうまくつくることが出来なかった。つまりは人付き合いが苦手なのだが、それは自意識があまりにも肥大して歯止めが利かなくなっていたからなのであり、そのために自分で自分を縛りつけ
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