若さと老い/パンの愛人
かずの冒険と比較的狭い世界での褒章と、個人的挫折とに満たされた」生涯から、「詩人であれ主婦であれ、実業家であれ教師であれ、老人と一人びとりには、自分の生気を失いたくない限り、何らかの仕事の計画が不可欠だという」教訓を導きだしている。
そうした上でマルコムは、じぶんの計画について、「私たちの生のなかに何らかの形態というか、一つのパターンを発見したいということ」だとのべている。人生は「私たちの一人一人が主役を演じる一つの劇」であると同時に「私たちは観客でもあるし、時には翌日の朝刊に批評文を書く劇評家でもある」
かれは自身の計画のためには、まず第一に「私たちの生を組み立てている素材を一々拾い集め
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)