詩人のシノギ (薄田泣菫の巻)/みつべえ
なみに「腕だるげに」の「腕」は「うで」ではなく「かいな」とフリガナされている。そうでないと七音にならない。ルビをふるのは音を律するための工夫でもあったのである。「寂静」は「さびしみ」、「沈黙」は「しじま」、「休息」は「やすらい」、「爛眼」は「ただらめ」、「追懐」は「おもいで」(以下省略)、と読むようにルビで指示されている。つまりルビなしでは、この詩を本当に味わうことはできないのである。とてもステキだ。声にだして読むと、なおよい。現代詩フォーラムのルビ機能で試してみたかったが、収拾がつかなくなりそうなのでやめた。むかし、マネをして、奇天烈なルビを付けた詩を、無闇につくった時期があったことを思いだした
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