「感性の論理」はどこからくるのか---詩の非論理的な領域を読むということ、詩の非論理的な領域を書くと.../N.K.
 
的な詩の読み解きから書くことへと論を進めようとし、「一つの語をどう読むかによって詩全体の意味が変わってしまうという例」7 として山村暮鳥の「岬」を取り上げる。

岬の光り
岬のしたにむらがる魚ら
岬にみち尽き
そら澄み
岬に立てる一本の指。

 大岡はこの詩に対するある解釈を批判的に検討して、詩人の一つの「感性の論理」でこの詩を読み取ろうとする。
 その大岡の批判するある解釈とは「岬の光り」と最後の「岬に立てる一本の指」は灯台であり、鳥瞰的に眺望された岬の風光を表していて、それが小さく、かわゆらしく、清らかにしずかに感じられるとし、暮鳥はキリスト教の伝道師をしていたことがあったの
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