肉じゃが/かんな
 
時を指して、それと同時に「ちょっとまってて」と言って席を立ってPCの前に向かうあんたの姿を不思議そうに見たわたしは、この部屋唯一の物質がテーブルとPCであることに改めて気づいた。

 カタカタカタカタとキーボードを叩く音が響く部屋でひとりぽつんと居残りをさせられたような気分にもなって、幼稚園のときに給食を残して居残りをさせられたことを思い出して、泣きながら生野菜を食べていたわたしのところにふいに現れたのがあんただったと思い出した。

 「あんただったね」
 「なにが」
 「泣きながら生野菜食べてたわたしのところにきたやつ」
 「キュウリでしょ」
 「そうだっけ」
 「あとキャベツ
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