肉じゃが/かんな
 
喰うものは喰って、寝ているだろうけれども、どこか生命力というか生命欲にかけたその姿はなんなの。

 「なんなの」
 「なにがなんなのなのよ」

 そう言われればそうね、いきなりいつぶりだかもわからないほど前に会った幼馴染を訪ねて、その生活にずかずかと足を踏み入れて、肉じゃがをリクエストする意味はないよね。ないけれどもこれだけはわかって欲しいことはあるんよ、あんたを心配しているわけではないし、外に出ないでひきこもっていようと自由だし、あんたにその自由を与えているのはあんたの親の金だし、わたしはその親に頼まれてここにいるんよ。

 じゃがの最後の一個を口に頬張ったところで時計の針が八時を
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