死紺亭兄さんへの声援(エール) /服部 剛
入るよう
ほとんどつけていないテレビの前に、
色紙を僕は、立てかけた。
色紙の中心に丸で囲んだ
( 死紺亭兄さんの復活を待ってるよ!)の周囲に
埋めつくされた、詩の夜に集った仲間達の声援は
それぞれの束ねた声となって、
君の鼓膜に入っていった
「 まったく俺は、果報者だよ・・・ 」
「 これを見ると、皆の顔が、思い浮かぶでしょ? 」
「 俺・・・今度の金曜のリハビリで、立って見せるよ 」
「 俺も仕事中に、死紺亭さんを思い出し、気合入れるよ 」
ベッドの上から屈んで伸ばす僕の手と
動けない君が差し出す手を、がっちり握
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