死紺亭兄さんへの声援(エール) /服部 剛
遥か昔「人は弱い時にこそ、強い」と語った
旅人の屈すること無い「精神の柱」について。
ある時彼は頭の良い哲学者に嘲笑され
ある時彼は民衆に石の霰を投げつけられ
( 人々が立ち去った後、痣だらけで蹲る彼は密かに立ち上がる )
荒野には、一筋の道が空に向かって伸びていた。
旅の袋を肩に担いで、幾日も、裸足の彼は歩き続けた。
( 真っ青な空の広がる彼方から、彼の名を呼ぶ声のする方へ )
*
僕が司会をする詩の夜の翌日
数週間前にアパートの階段から転落し
腰椎の砕けた詩友に会いに
地下鉄を乗り継ぎ
若松町の緊急病院へ
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