シキルカラタン/鈴木
うれしそうな雨が
細胞からよみがえってきた
いくばくの進化もなく
残月を探して伏す
目的地までは砂丘が続くばかり
それでも幾らかは
希少な光景を紹介することができます
コカ・コーラの缶から
少し残っていた中身が指へ蕩けこぼれて
今日もまた処女を失うあなたに
せせらぎでありたかった騙りを見つける
燃え上がる子牛のしたたりを得んと
大量のサボテンが踊っております
このカーニヴァル、シキルカラタンといい
最も美しく舞った者だけが
火の滝を浴びる栄誉を授かるのです
心臓のリズムにズレが生じ動じ同心円状に血管を伝い
網膜の張り裂ける心地が
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