ポエム的初恋のひと、平出さんの朗読会に/大村 浩一
 
河出書房新社の編集者だった平出さんの体験が活か
された一作。この辺から世間では詩集として認知されなくなった、と苦笑する
平出さん。本当なら了見狭いぞ現代詩壇。
 「葉書でドナルド・エヴァンズに」は、亡くなった欧州の友人のために、イ
ギリス近くのとある小さな島を訪問する話。26人しか住んでいない島に、この
島だけで通用する通貨単位が残っている…という。詳しくは、この本をどうに
かして手に入れて読んでみて下さい。
 平出さんの朗読は終始詩人らしく、聴きやすい素読みという感じだった。ヘ
ンな読みこなし方は、この人にはきっと似合わない、と思う。

 朗読後のフリートークで、ケータイ小説
[次のページ]
戻る   Point(6)