ポエム的初恋のひと、平出さんの朗読会に/大村 浩一
小説が再び話題になった。インターネッ
トの出現以降、詩や短歌の世界は随分変わってきたのだが、それがいよいよ小
説にも及んできたか、と感じた。平出さんの教え子の中にもケータイ小説を書
いている人が居て、実はその中に登場人物として平出さんが出てくるらしいの
だが「どう描かれているのか怖くて見られない」と苦笑。「いっそ俺たちも書
いてみるか。話題になるぞ」と古井さん。
終わったのは21時頃。「普段ならツッコミを入れるところだが、聴き惚れて
しまって突っ込めなかった」と古井さん。実は前出のハヤの所で思わずうめい
てしまった自分は恐縮して、普段ならせがむサインも言い出せずさっさと会場
を出てしまったのだが、聴衆には若い人たちも結構居た。誰かと少しでも話を
してみたかったけれど、今回は我慢した。
平出さんが作家や読者たちに愛されているのを感じるとともに、媒体がどの
ように変化しようとも(出版というビジネスモデルは危機に瀕しているのだが)
「書く」という表現の方法は変わらないし、「書く」ということは全幅で信頼
して良い行為なのだ、と改めて強く感じた夜だった。
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