ポエム的初恋のひと、平出さんの朗読会に/大村 浩一
 

 また最後の 111は実はシリーズの最初に書かれた詩だったという話も。現代
詩手帖の連載時もそうだったので、この連作は最初から意識的に構成されてい
たのだ。以前に旭川で朗読した際にはこの詩集から数多く朗読されたとの事、
聞いた方はさぞ幸せだったろう。(YouTUBEに誰かUPして下さい。冗談です)
 「若い整骨師の肖像」からは冒頭の「(はじめの光景」。手袋が水の中で旋
回している…という印象的な映像の詩だ。昆虫研究者の手記を換骨して作った
という詩集で、今日は朗読されなかったが、「(若い姫蜂がつぶやく」「(水
の囁いた理由」が私は好きだ。
 「家の緑閃光」からは「緑色異聞 九」
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