ポエム的初恋のひと、平出さんの朗読会に/大村 浩一
 
はなかろうから当然だが、さすが
に朗読も聞きやすく、演出もほどほどに抑制されていて本当に上手かった。
(ディティールが堪能できたという意味を、感じて欲しい)

 平出さんは、自分の学生には書き方を絞れと言いながら、自分は今日の朗読
作品を決められなかったと弁解的MC(笑)をしながら、小説への意識に留意
しつつ時系列順に自作を取り上げていった。今回は「家」が主題となったもの
と、聞き手を考慮して小説に意識を置いたものから…と前説。
 最初の詩集の「旅篭屋」からは「微熱の廊」を。伊良子清白を好きな平出さ
んのこの初期の行分け詩は、助詞の使い方がどこか近代詩的で、その後の詩集
にはな
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