ショートショート/花びらと仔犬/いすず
 

君は眠りたいの?
お花の中でしか、眠れないの。
仔犬はくうんと、僕を見ました。

仔犬はきれいな、つぶらな目をしていました。
僕が犬だったら、恋してしまうくらい。

仔犬のいったことは、おへんじにはなってないけれど、僕はかわいそうになりました。
それと同時に、仔犬とおともだちになりたいと思いました。

僕は、立ち上がりました。
眠れるようにしてあげたら、仔犬はまた、僕を忘れてしまうかもしれない。
僕はそう考えました。でも、それ以上は考えずに山道へ飛び出しました。
森へはすぐでした。
森の中のお花畑で、ありったけのお花をとってくると、姉にもらったプリザーブドになる薬を
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