ショートショート/花びらと仔犬/いすず
君は眠りたいの?
お花の中でしか、眠れないの。
仔犬はくうんと、僕を見ました。
仔犬はきれいな、つぶらな目をしていました。
僕が犬だったら、恋してしまうくらい。
仔犬のいったことは、おへんじにはなってないけれど、僕はかわいそうになりました。
それと同時に、仔犬とおともだちになりたいと思いました。
僕は、立ち上がりました。
眠れるようにしてあげたら、仔犬はまた、僕を忘れてしまうかもしれない。
僕はそう考えました。でも、それ以上は考えずに山道へ飛び出しました。
森へはすぐでした。
森の中のお花畑で、ありったけのお花をとってくると、姉にもらったプリザーブドになる薬を
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)