遊びについて/パンの愛人
 
ンキ塗りの話を思い出せばいいだろう。ひとによってはビジネスが遊びにもなりうるし、場合によっては、禁欲的なライフスタイルがある種の官能的な悦びを与えてくれるかもしれないのである。快楽を手段ではなく目的とすることで、遊びはその魅力の直接性を保持している。

 どんな美名をつけて呼ぼうとも、欲望は盲目であるから、おのれの使命を貫徹しようとするかぎり、どんな障碍も排除して突き進もうとする。遊びが、このような衝動に支えられているとすれば、その危険性について道徳や宗教の側から常に問題視されてきたのも当然といえる。

 ところで、わたしの行動原理は、あくまで消費的な態度にある。reserveやinves
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