遊びについて/パンの愛人
 


 おそらく、わたしは遊びのなかにある自由や解放感といったものが好きなのだ。そこにあらわれる人間的な喜びに、わたしはつよく惹かれるのである。逆に、義務や強制といったものはわたしをひどく滅入らせる。
 もちろん、ゲームにはかならずルールが必要なように、どのような遊びにも義務や強制の力は存在する。本来的に自由と義務は相互依存的な関係にあるので、なにからどのように自由になるかが、この場合重要になるわけである。自由とは幸福的な義務の甘受であるともいえる。
 遊びが感覚的な満足であるかぎり、なにが遊びでなにが遊びでないかは、最終的には主観の判断によるわけだ。この点については、トムソーヤーのペンキ
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