巻頭 一月/縞田みやぎ
皮膚の人ばかりいる
穴に落ちていけるか が
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木の絵をかいたよって 言いたくて
木の絵を ぼくはかいたよって言いたくて
言いたくて
おとうとがしんだときにも 似て
ぼくはあの子の顔を えんぴつで かいた
そう
そう かいたよって 言いたくて
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親しい人と、お葬式の話をしました。この世界に歌があって、言葉があって、私の体があって手足があって相手の体があって手足があって抱きしめることができて、「だいすき」という言葉があって、言う口があって声があって、歌があって、言う場所があって言うことができて、ああなんてしあわせなんだろうと思いました。かなしく
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