「問題文」/菊尾
 
てみると針が動いていない。
壊れた秒針が進まずにただ震えている。なんだか今日は集中ができない。この奇妙な問題文のせいだろうか。
タンタンタンと教室の脇の階段を上っていく足音はさっき歩いていた廊下の足音と同一のもの?と思うと再び廊下をカツカツと横切っていく足音が聞こえた。どうやら違うらしい。
担任教師はやはり立ち尽くしている。僕はその後ろに組んでいる手に眼を凝らしてみる。
黒い紐が少しだけ垂れていてグレーの何かを握っているようだ。指先が微かに動いていることに気付く。
そうか、あれは計測器だ。色々な音が鳴っていて気付かなかったけど小さく聞こえるカチカチカチカチ。
・・・計って、
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