「問題文」/菊尾
 
識は外へ向かう。
白いタイルを縦と横の線が規則正しく分割してタイルは正方形に形取られている。四角。床も机も教室も四角が多い。四隅はきっと鋭いから指でなぞったら切れてしまうだろうか。解答用紙も四角い。白い四角の中に見つけた「 」。ああ、これは四角まで後一歩。惜しい。
前を見るとやっぱり動かない君。まるで呼吸も止めているようだ。担任教師も相変わらず。ちょっとの隙間から解答用紙を覗けないかな。
分からない。問題はたった一つだけだがなんの意味があるんだこの問題文。少し横から覗いてみると君の手先は驚くぐらい速い。何をそんなに書いているんだろう。

コチコチ鳴る時計の音がうるさいと思い見てみ
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