「精霊、山の手」/菊尾
 

「なんすかそれ」
「公衆トイレの形をした妖怪なんだよ。入ってきた人間を食べてしまうんだ。」
「トイレってそこら辺にですよ。友達は男なんで。」
「きさまぁああ!山を汚す気だったのか!貴様らの尿素で山がどれほどの被害を」
「あぁすいません、いや、でもそこまで・・・」
「うん。そこまでじゃない。」
「ちっ。」
「もっと連続でしないと野良猫は寄って来てはくれないぞ?若者よ。」
「野良猫呼んでんじゃないよ舌打ちしたんだよあんたに。」
「さぁそんな事言ってる内に到着だ。」

目の前には大木。太い幹の上には家が乗っている。
木には家に上れるように梯子がかけてある
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