「精霊、山の手」/菊尾
「なんだよどーしてほしいんだよ!課ってなんだよ課って」
「いや、私は愛妻家でね。」
「聞いてねーしその“カ”じゃねーだろ。もーいいよおっさん早く出してくれよ」
「茶番だな。」
「あんたが言い出したんだろ」
再びおっさんが先頭を歩き始めた。
歩き始めるときちょっとだけスキップして俺と距離を取った。
そこがまたムカついた。
「ところで君は何故この山に来たんだね。」
「・・・途中まで友達と一緒だったんですけどね。友達がトイレから帰ってこないから
ちょっと様子見にでかけたら来た道が分からなくなって・・・」
「それは君、妖怪「トイレ詐欺」だな。」
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