「精霊、山の手」/菊尾
 
「・・・君の御両親が産まれるまでには出られ」
「いや意味がわからないです」
「あっはっはっ。そしたら君は産まれてない事になるものなぁ?
 こりゃおじさん一本取られたなー」
おっさんはそう言って自分の頭をぺチンと叩いた。腹が立った。

「おじさん名前は?」
「山の手だ。」
「山の手?珍しい名字ですね。何をされている方なんですか?」
「精霊だ。」
「あぁー・・・そうですか。」
前を歩いていたおっさんが凄いスピードで振り返った。
「おい!サラっと流すんじゃないよ!今のはもっと食いつくでしょ?!普通」
「いや、もうそれも無くは無いかなぁとか思って。」

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