「精霊、山の手」/菊尾
 
に迷ったのか?」
「あ、、、は、い。はい。そうなんです。」
「人生のか?」
「いや、ここでの話です。」
「そうか。私も若い頃には迷いに迷って散々悩んださ。」
「いや人生とかそういうんじゃなく」
「散々悩んだ結果がこの有り様だよ!!!」
おっさんは自分の頭を指差した。

「はぁ。あの、僕と同じで道に迷った方ですか?」
「私かい?私は違うよ。私はもう脱却した!煩悩から脱却したのだ!」
「いやこの山道での話しで」
「私はここに住んでいるのだよ。」
「あ、地元の方ですか?助かったー。すいません、ちょっと教えて欲しいんですが」
「煩わしいっていう字に悩む
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