ただ捨てられるだけの日記/Rin.
たが、祖母は
「これがええんや。」
と大切そうに引き出しにしまっていました。ですから私は、せっせと祖母のためにビーズでアクセサリーを作ったり、金や銀の色紙で飾りを作ったりして贈っていました。いかにきらびやかに、派手に製作するかで、祖母の喜び方が違う気がして、なんでもかんでもにスパンコールをくっつけたりして頑張っていたように思います。
しかし、祖母が一番喜んでくれたのは私の文字による作品でした。祖母と遊んだことを書いたものや、祖父の遺影について思うことなど、学校ではなまるをもらったり、コンクールで賞をもらったりする度に、その作品を、実印やら土地の権利書やらの入った引き出しに同居させてくれ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(32)