ただ捨てられるだけの日記/Rin.
 
くれていました。そして毎日向かいの魚屋のおばさんに自慢するものですから、おばさんはタコだけは仕入れなくてもよくて、きっと大助かりだったと思います。

 そう、私は昔から文章を書くことが好きでした。言葉で何かを表現できたとき、いいたいことにぴったりと合う表現が見つかったとき、私はたまらなく気持ちよくなります。私と付き合う男性には大変申し訳ないのですが、ナニよりも快感なのです。ゆえに短歌は私の性に合っていたようで、たくさん詠みはじめたのこそは最近ですが、高校の時から教科書や手帳のすみに、よく走り書きしていました。私の標語かなにかが入選し、京都の大通りを飾ったときの写真なども、祖母はずっと眺めていて
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