辛くて辛過ぎてもう堪えられない/木屋 亞万
なく眉をしかめざるを得ない状況に陥ってしまうのでやはり嘘なんてつかなければ良かったと痛感するのだけれども今更そんなこと言っても後の祭な訳で嘘は借金の先送りみたいなものでたいして出世をする見込みもないのに今払えないお金に利子まで添えて払えるような将来を期待してしまったようなものなのであって「時間薬とでも言えばいいのかなぁ時間が経てば辛い記憶も薄れてきて今振り返って見るとどうしてあの時そんな事で苦しんでいたんだろうと思いますよね」なんて経験者は語る調でまことしやかに語られているのにまんまと騙されて嘘をつきながら騙し騙し辛いものに堪えてきたけれど時が経っても辛さを乗り越えられるような成長はできなかったの
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