だから君、何でもかんでも料理を辛くする必要なんてないんだ。「辛いものが大好き」って言ったのは君の前でカッコつけたかっただけで、あの日の僕は辛いものをバクバク食う人がカッコいいという勘違いをしていたんだ。実は嘘だったんだと君に言うのがカッコ悪い気がして、それに君に嫌われるのも恐くて「こんな辛くも何ともないもの食う気にもならないね」なんてやけくそで強がったりもしたね。ごめん。
でももう限界だ。汗の量がおかしくなってきたし、舌は痺れたまま何を食べても味がわからなくなった。それに肛門がピリピリを通り越してパチパチと痛むんだ。もう辛いものは当分食べたくない。だから謝りたいと思うんだ。君にも辛い思いをさせたかもしれない、本当にすまなかった。
あぁ、ハチミツとリンゴがたっぷり入ったとびきり甘いカレーが食べたいよ。なぜなら僕は甘いものが大好きだからね。