バッドトリップ/風見鶏
 
もあって母子家庭特有の金銭的な問題に直面したのはむしろ最近になってからだと言っても良い。
 父と離婚してからも、母は臨時採用の教員として働き口があったのだが、それも体調を崩して全ての計算がご破算になった。肝臓を駄目にしてとても以前のようには働けなくなったし、祖母の体調も年々悪化していった。杖をつけば外でも歩けていた祖母が、いつしか一日の大半を椅子で過ごすようになり、それも出来なくなると今度はベッドと車椅子を往復するだけになった。祖母の介護と、自分の体の事もあり母はまともに働ける状況では無くなった。今思うと自分は部活動に勤しんでる場合じゃなかったのかもしれない。
 だから思春期の自分の家というの
[次のページ]
戻る   Point(2)